ボーダフォン・カップ ボカ・ジュニオールズ


<試合前>  怪我で坪井、アジア・カップで三都主、五輪合宿で達也と闘莉王を欠くが、まぁまぅぁのメンバーで臨む試合。少なくとも、惨敗はしないで済みそうだ。特に、海外指向のある山瀬と、相手に合わせて実力を発揮する暢久に期待。それに怪我をおそれてハードなディフェンスはないと思われるので長谷部にも期待。

<試合>  最初は互角の立ち上がり。エメが先制してからボカの目付きが変わった。エメがボールを受けると2、3人で奪いに来るが、エメは奪われない。それでも相手は、エメのように上手く、エメのように早く、エメよりもジャンプ力がある選手達で、通用しているのは、エメとアルパイだけ。ほかは山瀬が頑張っていた。
 目立っていたのは酒井。相手が猛烈なプレスをかけているときに、フリーなポジショニングを確保しボールを受けていた。ボールに近付こうとして相手のプレスを助けていた感のある長谷部と対照的。

 いずれにせよ、ボールスピードが決定的に違う。速いパスを出すには正確性を求められるし、受ける側のトラップの能力も試される。そのテクニックの差がパススピードの差になって現れる。また、意思疎通の微妙な差も、速いパススピードでは露呈される。それらが、この試合を観ていて分かった。その意味では観戦者にとっても良い経験になった。いずれは、レッズのパススピードも、あの8分程度までは上げて欲しい。

 ひところの強い磐田でも、オランダリーグでは中位程度と思う。その意味で、今のレッズとPSVは1ランクの差があると思う。そのオランダは3強でもプレミアの下位か1部というところか。その意味で2ランクの差がある。ボカとマンUを世界のトップレベルとすると、レッズとは3ランク違うことになる。あと5年程度でPSVレベルには上がりたいものだ。

(2004/8/9記)


 この試合の経験がレッズを成長させると思っていたが、優勝記事の中で、この試合に触れた長谷部の話が載っていた。
 鈴木は「どうやって球を奪ってやろうかと考えてきた。ずっと前から追い求めていたやり方が理想に近づいた」と説明する。長谷部はボーダフォン杯(8月・英国)で完敗したボカ・ジュニアーズ戦を引き合いに出し、囲い込みの威力を思い知り、あれが参考になった」とプレッシング・サッカーを追求した。
 リーグ優勝は、こんな攻撃的な守備意識があってこそ成就した。
〔2004/8/21埼玉新聞「次はチャンピオンシップ 熱い声援にチーム一丸 J1第13節」
「"攻撃的守備"が成就 クラブの環境整備も勝因」〕
(2004/11/22記)


試合結果 2004 HOME