2004シーズン カップ戦決勝トーナメント 準々決勝 横浜F・マリノス
レッズの一点目は素晴らしいもの。右サイドからの暢久のクロスが中央を縦に走っていた山瀬に届くのだが、その間に2人ほどレッズの選手がゴール目指して運動している。この動的連携が素晴らしい。
1点目を詳細に見てみると、レッズの攻撃的サッカーが良く分かる。いったんボールは最後尾の闘莉王に戻り、闘莉王が出す場所を探しながらゆっくりと持ち上がる。最前線から戻ってきた永井にパスする。ディフェンスを背に戻りながらパスを受けた永井はダイレクトで右サイドの暢久にはたく。はたいた永井のそばにいた啓太がするすると最前線へ上がっていく。はたいた永井も反転して前進するがジョギングペース。パスを受けた暢久はいったんトラップしてから永井の前にパスを出す、永井はその左を上がっていた啓太へのパスと思ったのか、追い付こうという気配を見せずにボールは永井の前を通り過ぎていく。その左を上がっていった啓太の後ろを通過したボール。しかし、永井がウォッチしたのを見た山瀬がダッシュしてボールに追い付き、ワントラップしてディフェンスの間を抜き、シュート。山瀬の更に左側には達也が走っていた。エメは左サイドでディフェンスを引き付けていた。
ゴールした山瀬は、まず、君のお陰と言わんばかりに永井を指差し抱き付く。そこからすると、山瀬は永井に「スルー」と声を掛けたのかもしれない。
印象に残っているシーンは、試合開始前の通路の風景。エンゲルス・コーチが永井に何事かを熱心に話していた。真剣にうなづく永井。それを見て、てっきり永井の右サイドと思ったが、実は、達也の左サイドだった。任務に忠実だったが、さすがに、マークの受け渡しは意思疎通を欠いていた気がする。ために山瀬も左サイドを気にする結果になった。
長谷部が目立たなかった。運動量では、山瀬と啓太が圧倒的に上回っている印象。
永井は、守備のために全速力で走ることをしない。これがピンチと見るや全速力で走るエメや達也との決定的な相違。点差がない終盤では怖くて使えない。